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容積

2022-07-29
みなさまこんにちは宮内です! 暑い夏いかがお過ごしでしょうか。
 
さて、7月がもう終わりを迎えようとし、セミの声がどこからか聞こえてくるようになりました。
これからが夏本番!といったところでしょうか。
 
園の子どもたちも水遊びでは水の冷たさに一喜一憂しております。
子どもの頃の夏はどうしてあんなにも楽しいものなのでしょうか。
 
今回は水遊びの中で行った、幼児クラスの“数”の課業についてお話をしたいと思います。
 
いつものように水着に着替えた子どもたちがテラスに出てきました。
すると 「ん?」 と不思議そうな表情をしています。
それもそのはず、いつもならタライには透明で涼しげな水がはってあるのですが、
子どもたちが見たところ、タライのなかの水はオレンジ色に染まっています。
 
「今日はなにか違うことがあるようだ・・・」と心のどこかで思い始めたのでしょう
大人の顔をじっとみつめる子どもたち。
 
私はそんな時の子どもたちの表情がとても好きです。
これから、たくさん頭を使ったり、工夫したりして、子どもたちのハッとひらめく表情や
驚いた時の目の見開き方や、集中している真剣な表情にこれから変わっていくからです。
それが、楽しみでしかたありません。
 
さて、子どもたちと輪になって座り込み、その中央に様々な“容器”を置きました。
どれも透明で、形の違うコップ、グラス、ボトル、お皿がたくさん。
 
その中の一つに色水をすくって入れました。
するとグラスにはオレンジ色の水がもう、あふれそうに入っています。
次に大きなタンブラーも持ってきて、グラスに入った色水を移し替えました。
色水はタンブラーの底から数センチの高さでとまりました。
 
「どう?」と子どもたちに問いかけました。
「少なくなっちゃった?」と不思議そうにつぶやいたのは3歳児の子でした。
「そう、思うよね」と心の中でシメシメと思っている大人をよそに、
「そうじゃなくて、大きさが違うからだよ」と答えるのは5歳児の子たちでした。
「不思議だね、入っている水は同じ量なのにね」
 
ここで、今回の活動で体験するテーマが子どもたちの頭の中に浮かんできているのではないかなと思いました。
 
今回は“容積”を体験する活動です。
 
子どもたちには1人1つずつプラスチックコップを渡し、そこに色水を入れます。
そこから子どもたちは好きな容器にその色水を移し替えていきます。
すると、容器に入った色水の水位からその器の容積を“見て”体験することができます。
 
“コップ1杯”ということを単位に
それを形や大きさの違う容器に入れて比較をするというわけです。
 
子どもたちは思い思いに容器を手に取り、水を移し替えていきます。
同じ量が入っているはずなのに、水位がちがうことに「なんで?」と驚いたり
「みてみて、あふれそう!」と友だちと、目の前で起きていることを共有しようとしています。
 
十分に移し替えて容積を見る体験したところで・・・
今度は「じゃあ何杯入るか試しでごらん」と子どもたちに投げかかました。
 
ここからは汲んで入れる“回数”が容積を体験するポイントになります。
大きな容器は「全然一杯にならない」と苦労する子どもたちです。
しかし、この苦労や大変さが、たくさん入るという容積を体感していることに繋がります。
 
また、たくさん入ればその容器はおのずと“重く” あまりはいらない容器は“軽く”感じるはずです。
 
水位を見る、汲んだ回数、持ってみた重さなど、容積という一つの概念を切り分けることで
容積がどういったものなのかを知った子どもたちでした。
 
「なんか、いろんな入れ物あったね」「僕の持ってたやつが一番たくさんはいったよね」と
活動が終わると、自分の感じたことや面白いと感じたことを、口々に話していました。